導入事例

株式会社神戸製鋼所株式会社神戸製鋼所

  • 業種高炉鉄鋼メーカー。素材系事業(鉄鋼アルミ・素形材・溶接)、機械系事業(産業機械・エンジニアリング・建設機械)、電力事業(エネルギーインフラ)を軸に展開
  • 規模~40,517人(2021年)
  • 利用用途検査・試験結果の計測数値記録。アナログメーター、デジタルメーター、アナログパネルメーター

株式会社神戸製鋼所

国内有数の高炉鉄鋼メーカーである神戸製鋼グループさま。ものづくりにおける課題を解決するプロジェクト「品質・ものづくりキャラバン隊」を発足するなど、日々グループを挙げて品質向上や業務改善について取り組まれています。hakaru.aiとの出会いは数年前──。プロジェクトで見つかった多くの現場にある「メーターの目視・手書き」から発生する業務課題の改善に立ち向かうべく、ソリューションを検討されていました。現在、hakaru.ai の点検APIと連携したClaris FileMakerカスタムApp導入をされ、ご利用をつづけていただいています。これまでの経緯とhakaru.aiへの評価について、ご担当の細川 徹さまにお話しを伺いました。

課題
  • メーター値を目視で手書きし、システムやパソコンに手入力する際のデータ入力のミス防止や業務の煩雑さの解消
  • 海外の事業所でも利用したい
  • 安価でかつ業務変化に柔軟に対応でき、横展開が可能なソリューションの導入
hakaru.aiの
選択理由
  • 海外での利用も可能であったこと
  • 単独のサービスでなくAPI連携で利用できること(Claris FileMaker)
  • 初期投資が安価であったこと
効果
  • (計測値が)デジタル化され、データが写真と共に保管されるため品質管理面が非常に向上した
  • 測定者にしか分からなかった数値が、写真エビデンスのあるデータベース化により第三者でも確認できるようになった
  • 手書きでステータスなどの諸条件を書く手間もなくなった
  • 手書きの数値等を第三者が見間違えることもなくなった
  • 古い機器の置き換えが不要なため、有効活用が可能となった

"メーターのAIモデル改善が実現したため、業務効率がかなり改善されました。
現場からも「実際に使っていてとてもよくなった」と聞いています"

株式会社神戸製鋼所 技術開発本部 プロセス技術センター 主任 細川 徹さま

── 細川さまには、2019年の展示会にて「hakaru.ai」をご覧いただきましたね。
あれから約2年、テストからアプリの構築、現場でのテスト、導入、運用と進めてきていただきました。

当社では、神戸製鋼グループとして「品質・ものづくりキャラバン隊」という、業務改善と品質向上を目的とした"ものづくりの課題"を解決するプロジェクトを行っており、私はそのメンバーの一人なのですが、実は「hakaru.ai」については同じ部門のメンバーが以前の展示会で見て、紹介されておりました。

── そうだったのですね!ではもともと、メーター読み取りのシステムを探されていたのでしょうか…?

いいえ、この課題は、プロジェクトで現場の声を聞いているなかで、数多くの事業所で各種メーターを読み取った結果を手書きし、システムやパソコンに手入力する業務をしており、それによるデータの入力ミスや業務の煩雑さを解決する方法が望まれている事業所が数多くあることを知ったことが背景にあります。

── 2019年は、まだ製品版としてリリースしたばかりで、未熟な点があったように思いますが…、どのような印象でしたでしょうか。

そうですね、私どものメーター読み取りの課題は、もともとは海外の事業所を起点としていたため、海外で使えるのかが重要なポイントでしたが、hakaru.aiはこれをクリアしていました。
データ出力を有する測定機器というのは各種販売されていますが、置き換えやシステムとの連携にかかる投資が必要でした。そのため、メーターの写真をAIで解析するソリューションのhakaru.aiは試す価値がありそうだと思いました。

── 神戸製鋼所さまのニーズを伺い、日本企業の海外工場でも利用できるようにしようと、当時、英語表示の対応を進めていきました。ただ、記録する台帳が、要件に合わなかったのですよね…。

hakaru.aiのWeb台帳は、巡回点検用の仕組みであったため、当社が要望している品質記録の用途を満たせないところが課題でした。しかし、検査記録に活用できれば導入の可能性があると感じていました。

── 事業部や業務によって、項目数などデータの抽出方法がさまざまということで、カスタマイズできる仕様をご要望でした。
そこで、メーターの読み取り機能の点検APIを、Claris FileMakerと連携する方法でご提案させていただいたのですよね。

はい。hakaru.ai単独ではなく、FileMakerとの連携により当社のニーズを満たせ、また海外拠点でも利用ができるところが、採用決定の大きなポイントとなりましたね。
その後、まずは計測器の台数が多く自動化が難しいメーターを持つ、当社グループの素材や部品の試験・研究業務を行う株式会社コベルコ科研で、導入に向けての構築を行っていきました。

── FileMakerの「カスタム App」を構築すれば、比較的柔軟にシステムを構築でき、稼働後の仕様変更がしやすいという利点がありますよね。

そうですね。FileMakerとhakaru.aiのAPI連携であればコストが安く済む点に加えて、システム構築を依頼したパットシステムソリューションズさんが、神戸を拠点としていたのも進めやすかった理由の一つです。

── 導入開始に2020年9月という期限を設けられていたそうで、実際にはご苦労も多かったと思いますが…。

まずは社内調整の必要があり、プロジェクトのキックオフに向け、本システムの有効性をどのように訴求し、開発/導入の承認を得ていくかというところに苦労しました。
また、プロジェクトの遂行にあたっては、神戸製鋼所、コベルコ科研、GMOグローバルサイン・HD、FileMakerのClaris社、パットシステムソリューションズの計5社がどのようにコミュニケーションを取り、予定通りに進められるかに気を揉みました。
ですが実際に始めてみると、タイトな日程のなかで各社良好なコミュニケーションが図れ、とても前向きに対応に当たっていただけたので、課題は発生したもののほぼ当初の予定通りに進めることができました。

── 細川さまをはじめ、みなさんの熱意の賜物でしたね。完成したシステムを現場でテストした際の率直な感想はいかがでしたか?

正直なところ、できあがった当初は構築した画面や操作性など、細かいところでの修正が必要となり、その対応にはリソースを費やしました。コベルコ科研の現場でも、やはり慣れないこともあり、時間がかかることや面倒と思うことがあったようです。
また、撮影の角度、画角による画面の明暗、小数点の見えやすさ、値以外のものの混入などで解析しづらい装置もあり、写真撮影にも苦労しましたね。

── そうだったのですね…、今は、慣れていただけましたか?

およそ20人で利用いただいておりますが、(計測値が)デジタルとして出力され、そのデータが写真と共に保管されるため品質管理面が非常に向上したかと思います。
今までは実際にその数値で合っているかどうかは、測定者にしかわかりませんでしたが、写真により第三者でも確認できるようになったこと。手書きでステータスなどを書く手間もなくなったこと。手書きの数値等を第三者が見間違えることもなくなったこと、これらが導入した後の成果だといえます。

── 品質向上につながったというのは、大変うれしいです。
昨年、「メーター読み取りAI」について、正しく判定したものが81%だとご指摘をいただきました。
その後、デジタルメーターのモデル改善を行いましたが、ご使用感はいかがでしょうか……?

使用頻度の高いメーターのAIモデル改善が実現したため、読み取り精度が更に向上し業務効率もかなり改善されたと認識しています。現場からも「実際に使っていてとてもよくなった」と聞いていますよ。

── それは本当によかったです!テストにご協力いただきありがとうございました。
ところで、ご採用いただいたお立場から、hakaru.aiを周りの方におすすめしたいと思われますか?

そうですね。同様の課題を持つ事業所があるため、今後社内でも積極的に横展開を進めていきたいと考えています。また、多くのメーターを手作業で測定し、その記録を管理、活用が必要な方にはぜひ導入を検討いただきたいです。

── ありがとうございます。私たちも、さらなる読み取り精度の向上、新たなメーターモデルへの対応、速度向上についても、取り組み続けてまいります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

※掲載内容は2022年2月時点の情報です。本件に関するすべてのお問い合わせはGMOグローバルサイン・ホールディングスにて承ります。

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