#読み物
2023.8.31
昨今どの業界でも推進が求められている、デジタルトランスフォーメーション(DX)。生産性の向上や生産コストの削減、そして市場への迅速な対応能力の強化、データ解析などテクノロジーが提供する洞察力により、意思決定や新製品の開発が促進されるといったメリットから、特に製造業などの業界ではその重要性が語られています。しかし、DXには段階があり、データの利活用による効果を実感できるのは、最終ステップにたどり着いたときだといえるでしょう。
ではその最初のステップは? といえば、日々の業務の中にあるデータの収集・デジタル化にあります。ここではまず、その基本となる作業「デジタイゼーション(=デジタル化)」のメリットについて考えます。
ところでDXには、一般に4つの段階があることをご存じでしょうか。第1段階は、データの収集。手書きで紙に記載している文字や値をデジタル化して蓄積する工程です。つぎは、収集したデータを一元管理し、ダッシュボードなどで見えるようにすること。その後に、データを分析しそれらにどのような推移や相関があるかなどを見て、それまでに気づかなった価値を見出す工程があり、最後にそのような分析の結果から具体的な検討をし活用することで、DXが実現されます。
ここに挙げた01と02の工程を「デジタイゼーション」と呼びます。デジタイゼーションとは、あらゆるアナログ情報や作業をデジタルデータに変換することです。以下の図からもわかるとおり、まずはデータをデジタル化することで、情報のアクセシビリティと精度が大幅に向上するため、DXの成功へと導く第一歩として必要不可欠な工程となっています。
それゆえにまず私たちは、デジタイゼーションの力を理解し、尊重することが重要です。
アナログ作業をデジタルに変換することで、業務が効率化するといわれています。それはなぜなのでしょうか。手慣れた人が担当をすれば、必ずしもスピードアップができるとは限らないかもしれません。
しかし、実はこれは、一つひとつの作業スピードの削減よりも、エラー発生の可能性が低減することや、自動化への道を開くことで人間の作業負担を軽減できることを含んだ業務効率化を指しています。単一の作業単位での効率化ではない視野で理解することが大切です。具体的なメリットの裏付けとなる理由を見ていきましょう。
どんな現場でも、エラーの発生は極力なくしていきたいものです。人間が行うアナログ作業には、人それぞれの方法や癖が少なからず介在します。また、エラーが発生した際の調査にも、記録した紙を広げて探してゆくより、検索可能なデジタルデータが揃っていることが優位であることは想像に難くありません。
また、手書きの文字には人それぞれ個性があります。よって紙に記入する際には、目で確認して書き取るときも、それをパソコンで転記していくときに読み取るときにも誤認のリスクがあるといえます。さらに、そのような見間違えについては、加齢による視力の低下もさることながら、その場の明るさなどの環境によっても、疲労による作業時のケアレスミスによっても品質が左右されます。
いかがでしたでしょうか。「デジタイゼーション(=デジタル化)」には、さまざまな理由や裏付けを元とした利点があります。どんな業種であれ、現場であれ、日常業務のなかでの手作業は案外あるのではないでしょうか。それらの業務のなかには、視野を広げて考えるとデメリットになること、エラー原因やリスクが潜んでいることがあります。 そのためにまずは、デジタイゼーションの力を理解し尊重することから、取り組んでいくことが大切なのです。
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