ローム株式会社
- 業種電子部品メーカー
- 規模20,000人〜25,000人
- 利用用途生産管理における工場設備の各種メーター点検業務の電子化。ガスバルブの開閉状態やランプの点灯状態の確認などの設備点検
製造業における「AIによるメーター読み取り」のニーズに着目し、β版の開発時より「hakaru.ai」にご助言もいただきながら、導入を進められてきたローム株式会社さま。2019年の製品版リリースとともに正式採用をされてから6年ほどになりました。昨年には、新たに機能開発した、チェック形式の日常点検で使えるオプション機能もご利用いただいていますが点検の現場はどのように変化しているでしょうか。
社内のITシステムの設計・開発をご担当されている東 剛さんに、現在のご利用状況や現場のお声をあらためて伺いました。
- 課題
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- 計器点検業務の改善
- 生産現場の人作業を改善
- hakaru.aiの
選択理由 -
- AI活用による汎用性の高さ
- 導入コストの安さ・工事不要で簡単に導入できる
- 検査から帳票出力まで点検業務すべての機能のサポートがある
- 効果
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- メーター点検業務が効率化されたことで、メーター値に変動が無いことを確認するといった環境安定化に注力できるようになった
- 点検結果を基にした改善業務を進めることができるようになった
- 生産現場で実施しているメーター点検・設備目視点検・点検結果の帳票確認・グラフによる傾向確認などのデータ収集作業を一括して対応できるようになったことで、点検業務の電子化を実現できた
“現在ではhakaru.aiの利用を前提とした業務手順が定着しています”
ローム株式会社 スマートファクトリー推進部 IT技術課 東 剛さま
hakaru.aiを現場でご利用されてこられて、ロームさまの環境や状況には変化はありましたか?
当社では、従来メーターは目視確認し、紙台帳に手書きで記入する点検業務を行っていました。
2019年にhakaru.aiを導入してからは徐々に数を増やし、半数以上のメーターを管理対象として運用できています。
そうですね。現在ではhakaru.aiの利用を前提とした業務手順が定着しています。
計器点検業務の改善課題はあったものの現場でのご理解を深めていただくのに数々のご苦労があったと伺いました。
はい、当時は前例もなく、クラウド型システムやAI活用といったことへの障壁が高かったのも事実ですが、小さくテスト導入を行いながら、現場担当者の理解を得ていきました。
するとhakaru.aiでの検針には、点検者の作業負荷の軽減や点検漏れの防止、計測データをワンクリックで俯瞰的に確認できることなどの、計器点検を電子化することだけでない付加価値があることにも気づいていきました。
そういった相乗効果のようなものも、今では定着してきたのでしょうか?
メーター点検業務が効率化されたことで、メーター値に変動が無いことを確認するといった環境安定化に注力できるようになりました。メーター点検業務に手間がかかっていた時は点検作業自体が目的になることもありましたが、今では点検結果を基にした改善業務を進めることができるようになりました。
hakaru.aiとしては大変うれしいご感想です。ありがとうございます。
まだ不足している機能や性能については、どんなお声がありますか…?
ワイヤー入りガラスを用いたシリンダーキャビネットや屋外環境など、メーター写真撮影時に外乱ノイズが影響する環境ではメーター認識に失敗することがあり、数値手入力にて補正するときが稀にありますね。
ここはどうしても、検針者さまに助けていただく部分になっています…。
それから、一部のメーターには目視点検で正常/異常を判断しやすいように目印を記載しています。このような人作業をサポートする運用が、hakaru.aiにとっては外乱となり解析精度の低下につながっているものがあります。ですが、目視判断とhakaru.aiの運用が両立できるようになることで、点検工数の削減と同時に現場作業時に変化に気づくことが可能となりますので、このような読み取りしづらいメーターの解析精度も向上するといいですね。
hakaru.aiでは対応メーターのタイプを増やしながら、AIの読み取りモデルの解析精度の改善やメンテナンスも重ねてまいりましたが、まだまだやるべきことはたくさんありますね。
対応メーターの種類が増えたことで、より多くのメーターをhakaru.aiで監視できるようになったことは非常に感謝しています。特にアナログメーターの目盛りが不均一なものやモニター上に表示されたデジタル数値など、特殊な環境に対して対応していただけたことがhakaru.aiの対応範囲を大きく広げる要因となりました。
ちなみにロームさまでは、メーターの読み取り以外の点検項目を管理するオプション機能となる「設備点検項目」のご利用も開始いただきましたが、メーター点検とは別の点検項目についても、紙台帳などでのチェックを行われていたのでしょうか。
はい、紙台帳で目視点検を実施していました。点検項目としてガスバルブの開閉状態やランプの点灯状態の確認が多いです。それらについて、すべてhakaru.aiの「設備点検項目」として登録し、運用することができています。
そうだったのですね。オプション機能については、現場でご利用のみなさまから何かご要望は出ていますでしょうか?
特に、点検結果をレ点だけではなく自由に登録できるところが適応範囲を広くすることができ、とても良かったです。当初は設備点検項目に対して利用していましたが、現在では設備周辺の整理整頓など環境保全目的でも利用しています。
チェック時のボタン名や、表示メッセージを自由に設定できるところは、
工夫した点だったのでご評価いただけてうれしいです。
本オプション機能を導入された一番のメリットはどういったところですか?
生産現場で実施している点検業務のすべてをカバーできるようになった点です。メーター点検・設備目視点検・点検結果の帳票確認・グラフによる傾向確認など、紙台帳とエクセルなどのソフトによるデータ集計作業を一括して対応できることで点検業務の電子化を実現することができました。
既存システムへの組み込みや点検結果の自動取得といった連携の強化でしょうか。 今後の展開として、ロームさまでは計測業務についてどのような改善を検討されていますか?
当社ではhakaru.aiとは別に、自社開発のタブレット端末で入力する点検アプリも併用しているので、そのアプリにhakaru.aiを組み込むことができれば、作業改善ができると期待しています。
また、現状hakaru.aiの点検結果を定期的に手動でダウンロードしていますが、これを自動取得できればデータ収集頻度を高めることができ、社内運用している工程監視ダッシュボードに連携することが可能になると考えています。
そうですね、その点検アプリではメーターは従来通りの目視点検をしているため、連携できるとよいですが、アプリ設計上の変更が多く存在するため、未だhakaru.aiを組み込むことができておりません。今後の課題と認識しています。 どちらもAPIを利用いただければ、物理的には実現可能かと思われます。実際に点検APIをタブレットソフトに連携してご利用いただいている事例もございます。自動取得に関しても、hakaru.aiの点検アプリで整理した点検結果を取り込む「台帳API」というオプションをご用意しているので、うまく機能する形で連携ができるとよいです。こちらでできることがあれば、何なりとお申しつけください。
最後に、hakaru.aiへのご要望をお聞かせください。
当社ではhakaru.aiリリース時から導入させていただいており、対応メーター種別の増加やメーター読み取り精度の向上、設備点検項目機能など現場で求められている機能を追加していただいたことに感謝しております。今後も現場要望の聞き取りを継続実施していただき、機能拡張に期待しています。
私たちもhakaru.aiを運用し、進化させることができています。
今後ともご指導、ご協力のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。
※掲載内容は2024年9月時点の情報です。本件に関するすべてのお問い合わせはGMOグローバルサイン・ホールディングスにて承ります。